起業失敗後の再就職先は上場会社でした。
当時ジャスダックに上場していた年商100億円規模の会社です。
年収は1,000万円以上で配属先は社長室(直属の上司が社長)。
起業失敗した人の転職先および条件としては、破格だとよく言われます。
じゃぁ、なぜそういう転職ができたのか、その理由についてお伝えしていきます。
起業失敗した人を求めている会社がある
その会社の社長が求めていたのは、次のような人でした。
- 会社経営経験者(起業)で失敗した経験がある人
- 自ら積極的に事業を起こした経験(起業経験者)がある人
言ってしまうと、その条件に合致していたということです。
「そんなバカなことがあるんだろうか…」
と思う人もいるでしょう。
しかしながら、べつにそんなバカなことでも何でもないんですよ。
世間一般とは別次元の目線の社長がいる
なぜなら、世の中には“世間一般”と同じ目線で見ない人、変わっていると思われる会社や社長が確実にいるからです。
むしろ、上場会社の社長ともなれば、別次元の目線で見ているのは当然だと思います。
少なくとも、そういう変わっている人材を募集していますよぅーなんて、大々的にはしていないでしょうが。
そういう経験者(起業して失敗した経験者)を求めていたのは、他に2社ありました。その2社の社長とは、お会いすることはしませんでしたが。
ただ、ここで改めてハッキリと言えることは、間違いなく起業経験者や起業して失敗したことがある人(失敗の内容にもよるでしょうが)を求めている会社や社長がいます。
力量が試されるケーススタディ式の面接
人材紹介会社を通して、その社長との最初の面接で1時間ほど話しをしましたが、即決していただきました。
勿論、型取りの面接ではありませんでしたが…。
社長との直接面接は、ありきたりな面接での質問とは違い、実践的そのものでした。
いわゆる、ケーススタディ式の面接で力量を試されたわけです。
「こういう状況の会社があった場合、具体的にどういう手を考えてどういう意思決定および決断を下すかな?」
「売上や利益は落ちていて、社員のモチベーションも下がっている会社があるとしよう」
「ただ、今のうちの会社が欲しい独特のシステムを持っている会社の場合どういう手を打つかな?」みたいな感じで、そういう質問に対して答えていくという繰り返し。
そんな面接の際に出された話しとほぼ同じような状況の会社を、私が入社後に買収していましたね。
まぁ、面接の際に、自分の力を試されているとはわかってはいても、不思議とそのやり取りが苦痛ではなく、むしろ心地良い気持ちになる面接でした。
そんな心地良さを、その社長も感じていてくれたみたいで意気投合って、正にこのことだなと思った数少ない経験のひとつです。
転職しても長くは続かなかった
そんな破格の条件で迎えてくれた会社だったけど、1年と少しで辞めることになり転職しても長くは続きませんでした。
1番の理由は、私を迎えてくれた社長が退任することになったからです。
業績不振で責任をとってではなく、むしろ業績を上げたことで、他の会社からヘッドハンティングされていったからです。
それもあって、その社長がいたから居心地が良かった会社も、社長が去った会社では、居心地が悪くなっていきました。
そして、再び転職先を探すことになります。
起業失敗した人は転職を繰り返した方が良い!?
起業失敗した人が転職できたんなら、そこで落ち着いて転職なんて繰り返したらダメだろう…と思いますよね。
確かに、起業失敗した人が転職してわずか1年足らずで転職を繰り返すなんてマズイだろうし、まず好意的に見られることはないのは間違いないですよね。
私も最初は、そう思いました。
ですが、結果論から言えるのかもしれませんが、起業失敗した人こそ転職は繰り返した方が良いと思っています。
なぜなら、起業失敗した人を求めている会社は確実にあるのと、そういう会社では想像以上に待遇が良かったり働きやすかったりするからです。
そして、チャンスがあれば再び起業する(再起)際の良い経験ともなるからです。
じゃぁ、再び転職先を探した際は、どうだったかというと…予想通り!?いやそれ以上に好意的な会社は少なかった。
正直、ほぼ無かったのが現実でしたね。
『ほぅーら見たことか、調子に乗ってからだよ』
と思う人もいるかもしれませんがねぇ。
しかしながら、1社だけ、かなり強く興味を示してくれた会社がありました。
起業失敗した人=希少価値の高い人材
『自分で起業して会社経営した経験を持つ人は滅多にいない』
『希少価値の高い人材なんですよ』
『私は、そういう人こそ大企業に必要だと確信しています』
と、まるでドラマや映画ののようなセリフを言い放ったのは、東証一部の上場会社で年商5,000億円超の会社の社長。
面接当日、その社長が、そう言ってくれたことは今でも忘れません。
そんなセリフを聞かされた時には、こう思いました。
いやぁー起業失敗して良かったなぁー(勘違いするほどに)と、心から思えた日でもありました。
さらに待遇が良い上場会社へ転職
結論から言うと、以前よりもさらに待遇が良い上場会社に転職することができました。
入社までには、その社長と3回面談しましたが、次のようなことを質問されました
「なぜ、起業しようと思ったのか、起業して成功と失敗についてどう考えているのか」
「この会社に入ったら、その経験をどのように活かしていけると考えているのか」など。
実際入社までに要した期間は、最初の面接から数えて1ヶ月半程度です。
その間に私の身辺調査もされたようです。
この会社に入社した際の条件は前職とほぼ同じ。
年収は1,000万円以上で配属先は社長室(直属の上司が社長)。
ただし、それプラス業績の貢献に応じて成果報酬があるというものでした。
(後に私が再起する際に、成果報酬ではなく退職金名目でしたが約1,000万円支給いただきました)
ちなみに、そんな会社の社長は、今や日本トップクラスの億万長者のひとりです。
起業失敗した人は普通の転職は無理
「もし起業失敗したら、転職できるだろうか」
という不安な気持ちになるのはよくわかります。
しかしながら、起業失敗した人が普通の転職は無理です。
なぜなら、冷静になって考えてみればわかると思いますが、なんだかんだ言っても、起業する人自体が全体数から見たら圧倒的に少ないわけです。
いわば、異常な人です。
普通に就職している人が大半なわけですから。
そんな中で、起業して失敗した人が、普通に転職するというのは理にかなっていないですから(理が無い、無理)。
みにくいアヒルの子状態だと考えておいた方が無難です。
普通の転職をしないのが普通
普通の人たちが就職して転職していくのとは違い、起業して失敗して転職するというのはどう考えても道が違いますよね。
- 普通の人が就職して転職=普通の転職
- 起業して失敗した人の転職=普通じゃない転職
私の知人で起業して失敗した人もいますが、まぁ簡単に言うと、良くも悪くも普通の転職はしていませんよ。
私のように人材紹介を通じてとか知人のツテで紹介されて転職しています。
起業して失敗した人は協調性もなく仕事がデキナイだろう…くらいに思われています。
ですからそんな中で、普通に転職なんて無理です。
普通に転職できるとか、しようとか考えている方が、不自然ですよね?
だったら、どうすればいいのか…。
起業して失敗した経験を武器にする
起業失敗した経験を武器にすればいいんですよ。
そんな強力な武器持っている人、まずいませんから。
だから、何も負い目を感じる必要はない。
むしろ、堂々と…
「どうだ自分は普通に就職したことがやったことがない起業をしたことがある人間だぞー(失敗したけど)」くらいに思って…転職活動すればいいんじゃないですかね。
横柄な感じではなく、腹の底では静かなプライドを持つというか。
少なくとも、私は心の奥底ではそういう気持ちを持ち続けていましたよ。
起業失敗した人が辿る道
ちなみに、私が知る限り起業失敗した人が辿(たど)るその後の道は、
- 転職
- 転職後のチャンスを見つけ再起
- 借金地獄に追われるか(正に生き残るか死ぬか)
起業して失敗しないに越したことはありませんが、もし起業失敗したとしても、絶望しないことです。ましてや、自ら〇を絶つことは絶対にしないことです。
私が起業に失敗した後に、会社経営について失敗した原因とそれを回避することについて考えをまとめた内容をコチラに書いておきました。
【参考】会社経営で失敗しないためには【目的の明確化と仕組み化が必要】
(※)ちなみに、私が起業失敗した後に転職した会社の社長2人の名前は、私が後に出版した本のあとがきにフルネームで記載させていただいております。人によっては、腰を抜かすほど驚く社長です。
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