「コインランドリーのフランチャイズが、こんなに儲かるとは思いませんでした」
「本業よりコインランドリーのフランチャイズの方が儲かっています」
と、やや興奮しつつ満面の笑みで話し始めたのは、私のクライアントである大島さん(50代半ばの社長)。
彼は、リフォームや不動産関係の本業の他に複数の業種(小売り・サービス業)のフランチャイズに加盟している、やり手の社長さん。
「先生、ちょっとこの数値を見てもらえますか?」
と、本業の業績そっちのけでコインランドリーの業績について説明し始めた…。
コインランドリーのフランチャイズの業績
コインランドリーのフランチャイズの業績は、確かに興奮するほどの儲かっている数値がならんでいた。
「先生、どうですぅー」
と、50代半ば過ぎのオジ様とは思えない、それはまるで子供がテストで100点をとった
テスト用紙を見せている時のようなアノ笑顔。
そして、私からの賞賛の言葉を待つ大島さん。
初期投資額と回収期間
文句のつけようのない業績数値だが、気になるのは初期投資額と回収期間。
いくら毎月黒字だとしても、毎月の黒字金額と初期投資額とのバランスが重要。
ようは、初期投資の回収までにどのくらいの期間を必要とするのか?
例えば、数値で計算した場合…
- 初期投資の額:1億円
- 毎月の黒字額:100万円
初期投資の回収までにはざっと計算すると
100万円×12ヶ月=1,200万円×8~9年=9,600~1.08億円
回収までに8~9年かかることになりますからね…。
特に、コインランドリーなどの設備投資を要する場合は初期投資の回収までに5~10年かかることも珍しくないですから。
つまり、初期投資が莫大な金額だった場合、たとえ毎月黒字であったとしても、その金額を回収するにおいてほど遠い金額の黒字の金額では意味がない。
そう思ったので…凄いですねぇー大島さん流石ですよぅーデキる社長ですねぇーなどの賞賛の前に…。
初期投資の金額は、どのくらいの期間で回収できる見込みなんですか?と聞いてみた。
初期投資をあっさり回収!?
「初期投資の回収ですか…」
「実は、初期投資の回収はもう終わっているんです」
いやあのですね、大島さん。
コインランドリーってまぁまぁな設備投資必要ですよね。
大型のドラム式洗濯乾燥機とか店舗の内装工事とか看板とか色々とあるでしょうから。
「はい、そうなんですけど、それらの設備費用含やフランチャイズ本部への加盟金など含めて総額で1,000万円近くの投資になったんですけどね」
「1年であっさり回収したんですよ」
それ聞いた瞬間、大島さんへの賞賛の言葉を言う前にコインランドリーのフランチャイズの儲かりっぷりハンパないなぁ…と思いましたよ冗談抜きで。
他のフランチャイズと比べてもダントツに儲かる
なんで、そんなに儲かるんですか?
「予想以上にお客さんが利用している…としか言いようがないです」
「私も最初は、知人のススメがあって軽いノリで始めただけでして」
「こんなに儲かるとは思わなかったんですけどね」
「コインランドリー以外の業種でもフランチャイズやっているのでわかるんですけど、ダントツですよ…儲かり方が異常だと言っても過言ではないくらい」
「あの先生、もしよろしかったらコインランドリーのフランチャイズに加盟しませんか(パンフレットを見せながら)?」
(えっ、これ勧誘なんですか!?という疑いの目を見せる)
「あっ、いえいえ、勧誘とかじゃなくて私に紹介手数料とかが入るわけでもなく」
「純粋に、良いビジネスだと思ったのでご紹介しただけですから」
今すぐ、コインランドリーのフランチャイズに加盟すべき?!
『そんなに儲かるのならコインランドリーのフランチャイズに今すぐ加盟しなきゃ…』
そう思う人が、大半だと思います。
他ならぬ私自身も、一瞬、ほんの一瞬ですが頭と心の中では、そう思いました。
コインランドリーのビジネスがどれほど儲かるかって話しは、大島さん以外にも知人などからも聞いていましたので。
もっと言うと、それ以上の情報としてコインランドリーのフランチャイズ本部として成功をおさめている知人がいることもあり、どういうビジネスモデルかは知っています。
しかしながらですがねぇ…
私の判断としては、コインランドリーのフランチャイズに加盟はしない方が良いという結論です。
なぜなら、そう遠からず競争が激化して収益が悪化黒字から赤字へとなる店舗が増えると判断したからです。
加盟のタイミング
現状では、コインランドリーのフランチャイズに加盟するタイミングとしては、時すでに遅し。
というのは、既にご存知の方もいると思いますが…
コインランドリーのフランチャイズが急増していて、お客さん(パイ)の奪い合いになっていますよね。
それまで儲かっていたフランチャイズ加盟店さえも収益が落ち、それどころか毎月赤字に転落している…設備投資額の回収の見込みがない。または、相当な時間を要する。
実際に、私のクライアントであり大島さんが、コインランドリーのフランチャイズに加盟したのは、実は本内容を書いている3年以上も前の話しです。
競合が増え競争が激化
直近(本内容を書いている同時期)、大島さんに、状況を聞いたところ…。
「1、2年目までは良かったんですが段々と収益が落ちてきました」
「黒字ではありますが全盛期の半分近くか、月によっては半分以下です」
「競合が増えたのが主な要因だと思いますけど…」
「私がいる地方の田舎でさえも同じようなコインランドリーが増えてきたんですよね」
確かに、私もどこいってもコンビニとか携帯ショップの次くらいにコインランドリーがあるんじゃないかくらいに見ますものね。
「現状なら、先生をはじめとしてコインランドリーのフランチャイズは軽々しく、おススメ出来ない状況ですね」
そう、正にこれが、コインランドリーのフランチャイズに加盟する現場の生の声ですよ。
コインランドリーのフランチャイズは儲からないのか
コインランドリーのフランチャイズは儲かるのか儲からない?のか…。
大島さんのように、異常なほどに儲かっていた時期があったのは事実です。
しかしながら、急激に儲かるビジネスは真似されやすく、直ぐに儲からなくなる。
これは、ビジネスの原理原則ですよね。
つまり、儲かるビジネスの話しというのは、誰しもが知るようになっていては、それはもはや、儲かるビジネスとしての価値を失っているということです。
例えて言うならば、ダイヤモンド(宝石)だって、みんな持っていたら価値はないのと同じことです。
コインランドリーの本部の社長曰く
コインランドリーの本部を経営している知人社長曰く
『ここ数年で競合が増え競争が激化しているので前みたくは儲からないね』
と、この言葉から、推測できるかと。
コインランドリーの本部がそういう状況なのに、加盟店側がそれ以上に儲かることはないですからね。
コインランドリーのフランチャイズに加盟を考えている人へ
とまぁ、そもそもコインランドリーのフランチャイズに加盟しようかと考えている人は、なにがしかの儲かっているフランチャイズに加盟すれば、自分も儲かるという思考回路だったりしませんか?
もし、そうなら、どんなフランチャイズに加盟したとしても、失敗してしまう可能性が非常に高いですよ。
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