「この年になっても学歴コンプレックスがあるんですよ」
「一応、大学は出ているんですが私立の大学ですから」
と、どことなく元気なさそうに学歴コンプレックスを漂(ただよ)わせながら話し始めたのは、私のクライアントである渡辺さん(50代前半の方)。
年商10億円以上の会社を立派に経営なさっている社長さんです。
私の中では大学を出ていれば十分高学歴じゃないかと思いつつも、会社経営の悩みよりも学歴コンプレックスの方が深そうな感じだったのでそれとなく聞いてみることに。
ちなみに、渡辺さんはどちらの私大なんですか?
学歴コンプレックスは高学歴な人も本当にある
「早稲田(わせだ)の理工学部です」
( ゚Д゚)ハァ…?
いやいや、おかしいだろ。
普通、学歴コンプレックスって高学歴な人はないだろう…と。
渡辺さんのオデコを右手でフルスイングの平手打ちをして、赤くしてやろうかくらいの衝動に駆られた。
だが、そこは私のクライアントであるとともに、年上であるからしてなんとか寸前のところで思いとどまり念の為に確認してみた。
あのぅ早稲田ってあの早稲田大学ですよね?(新宿にある大隈重信が設立した)
「はい。実は、うちは東大か京大家系なんですが自分だけ早稲田なんです」
「息子も、東大の理科Ⅲ(医学部)に行きましたし…汗」
「私だけ、落ちこぼれなんですよ」
落ちこぼれって…。
確実に日本語の意味を知らない。
それか、活用の仕方を間違えているだろっと思いつつも、はぁ~としか言いようがない。
東大生でも学歴コンプレックスがある?
「私だけじゃなく私の息子(東大の理科Ⅲ)も学歴コンプレックスがあるみたいで」
(学歴コンプレックスって遺伝するんですかね)
「息子の友人は、東大よりも良い海外の大学に行ったんですがその友人に対して学歴コンプレックスがあるみたいなんです」
って、おかしさを通り越して何かの悪い冗談かもはやギャクだろって思いましたよ。
きっと、これを読んでいる人はきっと…
『早稲田や東大理科Ⅲ(医学部)で学歴コンプレックスなんてないだろう』
『そんな高学歴な人が学歴コンプレックスだなんてふざけてんじゃねぇーの』
しかしながら、本人にしては全くふざけているどころか東大理科Ⅲ(医学部)の息子さんはさておき、大真面目なんですよ、渡辺さんは。
筋金入りの学歴コンプレックス
学歴コンプレックス歴30年以上の筋金入りの学歴コンプレックス。
いわゆる、これが学歴コンプレックスが重症化している実態なんですよ。
学歴コンプレックスって、世間一般では、中卒高卒またはFラン大学。
また、日東駒専の大学出身者が東大、京大、慶応、早稲田大学などに対して持っていると思われがちです。
しかしながら、それ以外にも学歴コンプレックスは、高学歴な人ほど重症化しています。
だから、学歴コンプレックスがある人は安心してください!?
学歴コンプレックスって高学歴な人でもありますから。
なぜ、高学歴な人が学歴コンプレックスがあるのか?
あのぅー、渡辺さん、早稲田の理工学部って十分に高学歴だと思いますけど。
なぜ、そこまで学歴コンプレックスがあるんですかね?
そんなに自分に対して学歴コンプレックスを持つ必要ないんじゃないんですかねぇ、と慰(なぐさ)めの言葉を言ってみると。
「そうなんですかねぇ…でも東大京大家系に育った私からすると、どうしても自分の学歴にコンプレックスを持ってしまうんですよ」と。
もはや、どうしようもないレベルの学歴コンプレックス…苦笑
まるで、テレビドラマにあるような医者家系に育った子供が医者になれなかった時のような挫折感ぶりを感じさせる。
東大や京大に行けない子はうちの子じゃ、ありません…みたいにくらいに言われたことあるんですか? と、渡辺さんに聞いてみると。
「あっ、いえ流石にそこまで言われたことはありませんが」
「ただ、親せきが集まる時なんかは嫌味というか冗談っぽくバカにされますね」
もはや、意味不明の異次元の世界。
とまぁ、じゃぁ、なぜ、高学歴な人までが学歴コンプレックスがあるのかについて私なりの考えをお伝えしておきます。
まぁ、ひと言で言ってしまうと…
学歴至上主義(しじょうしゅぎ※それが最上のもの)で育った影響をモロに受けている弊害(へいがい)だと思います。
高学歴な人=優れた人だと思っている
高学歴な人=優れた人。
そうかもしれません。
ただ、そうじゃない人もいるのは言うまでもないことではないですよね。
日本人が、みな礼儀正しく良い人ばかりかと言ったら、そうじゃないし。
どっかの国の人が、みなモラルがなくて声がデカイかと言ったらそうじゃないしねぇ。
まぁ、冷静に考えてみたらわかるだけど、あくまでも高学歴な人だけであってそれ以上でも以下でもないんですから。
同じ人間ですよ(笑)
しかしながら、高学歴な人に限って、どうしても高学歴な人=優れた人 であると強く認識してしまっているのは事実ですよね。
残念ながら、その認識が自らの学歴コンプレックスを重症化させてしまっていることに繋がっているんですが。
全ての判断基準が学歴ありき
『やっぱり、頭いいなぁー学歴が高いから当然だよねぇ』
『仕事がデキると思ったら○○大学出身だからなんだぁ…』
『で、ちなみに、どちらの大学ご出身なんですかぁ!?』
という具合に全ての判断基準が学歴ありきになっているんですよね高学歴な人に限って。
なぜなら…学歴以外で人の能力や人間性などを計ることができないから。
自分が人から判断される際も、学歴で判断されると思って生きているからでしょう。
いや、もしかしたら、学歴以外の判断基準を持とうとしていないかもしれませんが。
学歴が高いだけに上しか見えていない
学歴コンプレックスは、自分よりも学歴が高い人に対して抱(いだ)くものですが学歴が高い人は、向上心がありますよね。
ただ、学歴が高いだけに、上しか見えていないということがありますよね。
しかしながら、それが時に自らを苦しめてしまうことに、繋がっているんですけどね。
どういうことかと言うと…例えて言うなら、登山。
世界一高い山と言われているエベレスト(ヒマラヤ山脈※8,848m)に登ろうとしている人しか見ていない(見えていない)。
本人はエベレストの次に高い山と言われているK2(ゴドウィンオースチン※8,611 m)に登頂している経験があるにもかかわらず。
エベレストに登れない自分をダメ人間だと思ってしまうみたいな。
世の中には、富士山(日本で一番高い山※3,776m)も登ったことがない人、途中で登頂断念する人だっていっぱいいますよぅーという声はそういう人には決して届かない。
高さが違うからか!?…苦笑
学歴コンプレックスから確実に抜け出す方法
正直、高学歴な人がそう簡単に学歴コンプレックスから抜け出せないと思います。
ですが私なりに効果的であると思うコンプレックスから抜け出す方法がありますので、お伝えします。
そして、実際に先ほどから登場している渡辺さんに対してアドバイスしました。
効果の具合は、渡辺さんの反応を見て判断してください。
自分よりも高学歴な人と接触しない
渡辺さん、この人の言葉、知ってますか…?
「肩書きがなくては、己れが何なのかもわからんような阿呆共の仲間になることはない」
南方熊楠(みなかた・くまぐす)-生涯独学を貫き通した人物。
粘菌の研究で知られる菌類学者だが、博物学や民俗学など多方面にわたって業績を残す。
「いえ、知りませんでした…汗」
「なるほどですね…確かに、言われてみたらそうですよね…」「凄いイイ言葉ですね…」
高学歴な人たちや学歴が高いだけで人を判断する人と接触しないということも手ですよ。
「ただ、私の場合家族や親せきたちが東大京大ばかりなので」
あっ、そうでしたね…汗
学歴の意味をとらえ直す
渡辺さん、学歴ってどういう意味があるんですか?
「学歴の意味ですか、考えたことないですが」
なら、ちょうど良かったです。 今、考えてみてください。
「えっ、今ですか ( ゚Д゚)…」「そうですね…うーんうーん」
「ほんと、学歴の意味なんて考えたことがないので、わからないですが」
「自分のためになることですかね!?」
自分のため、じゃぁ具体的に自分の何のためですか?
「人から馬鹿にされないためとか会社経営のためですかね」
えっと、これまで学歴のことでそんなに人から馬鹿にされたんですか?!
「いえっ、家族や親せきくらいからです苦笑」
あっ、なるほど。じゃぁ家族や親せきと会わなきゃいいんじゃないの!?と何度、渡辺さんに言ってやろうかと心の中で思ったことか。
でも、もう1つの、会社経営のためというのは役に立っていますね?しっかりと業績を出しているワケですから。
「確かに、言われてみたらそうですね」
高学歴な人と比べて自分が優れている点を比べる
学歴コンプレックスがある人は、常に自分よりも高学歴な人と比べがちです。
なので、高学歴な人よりも自分が優れている点を比べてみるのが良いです。
渡辺さんこんなデータあるのをご存知ですか?
【日本の大学】
1位:東京大学 :729万円
2位:京都大学 :677万円
3位:慶応義塾大学:632万円
…
10位:早稲田大学 :572万円
【海外の大学】
1位:コーネル大学 :1,919万円
2位:ハーバード大学:1,730万円
3位:MIT大学(※):1,570万円
(※)マサチューセッツ工科大学
2011年1月~2012年12月31日の期間に、DODA転職支援サービスにご登録いただいたホワイトカラー系職種の男女(21~59歳・約100,000件)のデータをもとに集計
「いえ、知りませんでした…」
渡辺さんの今の年収っていくらでしたっけ…?
「〇〇〇〇万円です」
ということはこのデータと比べてどうですか?
「東大や京大の4倍以上ですね…」
ですよね…というかほぼ5倍じゃないですか。
ということは?
「ということは?と言いますと」
あっ、なので、どう思いますかってことです苦笑
「そうですね、東大や京大の人に勝っている(年収においては)!?」
勝ち負けではないのですがまぁ、そうなりますよね。
「なんか、少し自信が出てきた気がします…↑↑」
良かったです(笑)
まぁ、高学歴な人が学歴コンプレックスをなくすのはなかなか難しいとは思います。
ただ、それでも学歴に対しての考え方や意味のとらえ方や比較の仕方を変えてみてはどうでしょうか。
学歴コンプレックスがなくなる、または少しは気が楽になると思いますよ。
【参考】社長の年収の決め方【年収1億の社長から教わった】決め方
高学歴な人が手に入れられないモノ全て手に入れる
高学歴な人が手に入れられるものは、せいぜい、そこそこ良い会社に就職と年収。
あとは、〇〇大学出身者という自己満足に等しい肩書。
(人によっては、それが欲しくてたまらないかもですが…)
ですが、社長として生きていく人にとっては、不要です。
それよりも、学歴コンプレックスから抜け出したいのなら、高学歴な人が、どう転んでも逆立ちしても手に入れることができないものを手に入れることで優越感に浸れば良いです。
【参考】儲かっている会社の社長が【ほとんど働いていない理由】
具体的には、お金・時間・健康・家族・尊敬の5つ全てを手に入れた社長(それが『真の社長』)として、人生を送る。
じゃぁ、具体的に何をどうすれば、そうなれるのか?、そのあたりのヒントや答えを【『真の社長』になるためのメルマガ講座 】で詳しくお伝えしています。
それこそ、そういう生活を手に入れれば、今まで学歴にこだわり、学歴コンプレックスで悩んでいたことが、アホらしく思えますよ。
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