会社経営に失敗する始まりは、こういう思いから始まります。
「何のために会社経営しているんだろう」
こう思うようになったら、黄色信号。
いえ、時間の問題で会社経営に失敗し倒産という名の赤信号に変わるでしょう。
なぜなら、会社経営の失敗は、何のために会社経営しているのかという目的を見失うことから始まるからです。
「いやいや、会社経営が失敗するのは販売不振で、売上が上がらずにキャッシュが底をつくからだろう」
と思う人もいるかもしれませんが、違います。
それらは表面的な事象として起きていることに過ぎません。
会社経営が失敗するのは目的を見失うからです。
これは過去に1度、私自身が会社経営に失敗した経験者として断言できることであり、会社経営に失敗していく大半の人の典型的な理由でもあります。
ですので、これから会社経営に失敗する詳しい理由と、失敗しないためにはどうしていけば良いのか?について話していきます。
会社経営の失敗は目的を見失うことに始まる
会社経営の失敗は、目的を見失うことに始まると言われても、いまいちピンとこないかもしれませんよね。
ですので、会社経営を登山に例えてお伝えします。
登山で言うならば会社経営の失敗は、こういう具合です。
山頂を目指している途中で、肉体的精神的な疲労が積み重なってくると、何のために、この山を上っているのだろう(会社経営をしているのだろう)?という迷いが生まれます。
そうなると歩くペースが落ち歩幅が狭(せば)まっていきます。そして、次の一歩を踏み出せず立ち止まり次のような思いが心の中に芽生えます。
『こんなに苦しく大変な思いまでして、この山に登る必要があるのだろうか(会社経営をする必要があるのだろうか)』と。
そうなれば、その場に立ち止まり力尽きるか、しぶしぶ下山することになります。
気力と体力が低下すると失敗率が上がる
ただ、目的を見失った人の気力と体力は低下しており歩む力は力強い足取りではないため、登山の失敗率が上がります(会社経営の失敗率が上がる)。
下山途中で発生するトラブルにも適切な対応がデキない。
そうして、登山失敗(会社経営失敗)となっていきます。
というのは、私が、昔20代前半で起業し会社経営をしていましたが10年後に会社経営に失敗し倒産をした時が、今お伝えしたような具合でした。
最初の目的とのズレが原因
会社経営を始めた最初の目的は、自分が成功してお金持ちになるため(目的)でした。
それがいつしか、社員が50人ほどに増え自分の当初の目的よりも社員のために(自分以外の関係者のために)!?
会社経営をしなければならない状況になり始めてから、何のために会社経営しているんだろう…と思い始めていきました(目的を見失う)。
そう、最初の目的とのズレが原因でした。
俺は、社員のためにこんな苦しい思いしてまで会社経営してんじゃないんだよ…と、心の中で思いながらやりきれない気持ちになっていました。
そして、最初に明確にあったはずの会社経営の目的を見失うと、一気に気力と体力が低下していき回復することなく、その後会社経営失敗、倒産となったわけです。
会社経営の失敗は自分の成功を求めていたから!?
会社経営の失敗は、自分の成功のためだけを求めていたからではないだろうか!?と思うようになりました。
というのも、会社経営に失敗してから、しばらくして自分なりに原因を考えたり成功している経営者の本を読み返していました。
そんな中で、昔読んでいたはずだけど気づかなかった。いや、気づいてはいたが軽く読み流していた一節が強烈な勢いで目に飛び込んできたんです。
稲盛和夫氏でも会社経営の目的で葛藤していた
稲盛和夫氏でさえも、会社経営の目的について葛藤していたことそうです。
「稲盛さんなら最初から高尚(こうしょう)な会社経営の目的だったんじゃないの」
と思う人もいるかもしれませんがねぇ確かに、私も最初は、そう思いました。
「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献する」これ以外に、経営の目的はないと、私は思っています」。
京セラ創業者:稲盛和夫
ですが、ですがですよ。よくよく調べてみると違ったんですね。
最初から今のような会社経営の目的ではなかった。
会社経営の目的で悩み苦しみ葛藤した時期があったようです。
そんな稲盛和夫氏が、会社経営の目的を確立した経緯の話しがあります。
少々長いですが、一読の価値あり。
いえ、会社経営で失敗したくない人は必読です。
創業して3年目の春、前年に入社した高卒社員11名が、定期昇給やボーナスなどの待遇保証を求める団体交渉を申し入れてきました。
会社を創業した当初の目的は「自分たちの技術を世に問う」ことであり、その夢を実現するために、創業メンバーはとにかく必死で働くことが当たり前の状態になっていました。
その一方で、入社間もない高卒社員は、必然的に遅くまで残業していたことへの不満と将来に対する不安が募り、団体交渉という形で会社に将来の保証を求めたのです。
稲盛はそれに対し、「できたばかりの会社なので将来の確約はできないが、必ず君たちのためになるようにする」と説明しましたが、高卒社員に納得してもらうことはできませんでした。
交渉は会社だけでなく、稲盛の自宅においても続けられました。三日三晩かけて徹底的に話をした結果、最後は「信じられないなら、だまされる勇気も持ってみないか。だまされたと思ったら、俺を刺し殺してもいい」という言葉に込められた稲盛の熱意が通じ、この交渉はようやく決着しました。
この一件を機に、稲盛は、「会社とはどういうものでなければならないか」ということを真剣に考え続けました。
その結果、会社経営とは、将来にわたって社員やその家族の生活を守り、みんなの幸福を目指していくことでなければならないということに気づいたのです。
その上で、会社が長期的に発展していくためには、社会の発展に貢献するという、社会の一員としての責任も果たす必要があると考えました。
これ以降、京セラは経営理念を「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」と定めたのです。
こうして京セラは技術を世に問うことを目指した会社から、全従業員の幸福を目指す会社へと生まれ変わり、会社経営の確固たる基盤を据えることができたのです。
稲盛和夫氏のOFFICIAL SITEより
これらは、同時に著書以外でもDVDなどでも同様に語られている内容です。
稲盛和夫氏でさえも、会社の創業当初は、会社を創業した当初の目的は「自分たちの技術を世に問う」ことであり自分のため、自分たちのためだったわけです。
しかしながら、その会社経営の目的では限界が訪れ、自分のため自分たちのため以外に目的を変えていったということですね。
目的を変えるタイミングがある
会社経営の目的を変えるタイミングがある。そんな稲盛和夫氏の本やDVDを見て気づいたことでした。
当時、自分が会社経営に失敗したのは、目的が自分のためから自分以外のためにしなければならないタイミングでそれをできなかったから…だという結論に達したわけです。
まぁ、だからと言って、会社経営の目的は稲盛和夫氏のように必ずしも高尚なものでなくても良いと思います。
ただ、目的が自分だけのためであるとどうしても限界が来て行き詰まるのは普遍的な真理のような気がします。
途中から自分以外の成功のため
会社経営の目的が最初のうちは、自分の成功のためだけでも良いですが、やがて限界を感じたら自分以外の成功のために目的を変える。
もしくは、創業当初から自分以外の関係者が成功する目的にするということですね。
勿論、その会社経営の目的が心からウソ偽りのないものでなければならないのは言うまでもないことですが。
今さらながら、冷静に考えてみると当然と言えば当然の事なんですよね。
なぜなら、その方が、会社経営に失敗しにくいというか社員や取引先はじめとして、共感を得られやすしいし応援されやすいからですよね。
自分の成功のためだけだと失敗しやすくなる
自分の成功のためだけに会社経営すると、失敗しやすくなります。
なぜかというと、極端な話しですが
- 「自分が成功してお金持ちになりたいのでみんな安い給料で長時間働いてくれ」
- 「自分が成功してお金持ちになって有名になりたいので大した品質も良くない商品ですが、高い料金でたくさん買ってください」
と言っているような会社が応援されて繁栄していくわけがないですから(苦笑)、そんな会社が会社経営で失敗して当然ですよね。
「じゃぁ、会社経営の目的を自分以外のためにすれば失敗しないのか?!」
と思う人もいるかもしれませんがねぇそうではありません。
あくまでも、それはベースで会社経営が失敗しないためには、もう1つ必要なことがあります。
会社経営で失敗したくないなら仕組み化せよ
会社経営で失敗したくないなら、仕組み化せよ。
と当時の自分に、間違いなくそうアドバイスします。
なぜなら、会社経営で失敗していく。
または、長続きしない会社は仕組み経営が出来ていないからです。
これは紛れもない事実であり、もし、このことに気づいていないのなら、一刻も早く仕組み化をすることをおススメします。
仕組み化がないと行き詰まる
仕組み化がされていない会社は、遅かれ早かれ行き詰まります。
このことに当時の自分は気づくことができていませんでした(汗)
それこそ、朝から晩まで手当たり次第に商品やサービスを販売するために営業していたのが実態です。
言わば、根性論の世界です。
ですが、それではダメだったんですよ。
まぁ、だから結果的に会社経営に失敗してしまったんですが…。
【参考】仕組み経営の言葉に反応する社長の会社は【業績が安定しない理由】
仕組み化がされている会社は業績が安定する
仕組み化がされている会社は業績が安定するのは、当然のことです。
根性論ではなく、確率論の話しになるからです。
会社経営は、根性論も必要な時もありますが、業績を安定させていくには確率論が必要です。
それこそ、仕組み化された会社経営ができるようになれば、社長がいなくても働かなくても業績が安定していきます。
【参考】儲かっている会社の社長が【ほとんど働いていない理由】
相応のリスクを負い社長として生きているなら、会社経営に失敗することなく、お金・時間・健康・家族・尊敬の5つ全てを手に入れて、社長にふさわしい人生を送るべきだと私は考えています(それが『真の社長』)。
じゃぁ、具体的に何をどうすれば、業績が上がり続ける仕組み経営ができるようになるのか?そのあたりのヒントや答えを【『真の社長』になるためのメルマガ講座 】で詳しくお伝えしています。
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